銀行から融資を受けるには、いろいろな条件がありますが、一番重要なのは、やはり、会社の成績表である決算書でしょう。
しかし、決算書のできはもちろん大事なことですが、借入先に対して資金の使用目的を明確にし、その融資を受けることで事業に対する効果がどれほど大きく、事業を継続発展させていくのに重要な資金であることを明確にすることもとても大切なことです。ただ単に、お金がないから貸してくれ。では、誰も貸してくれません。
自分が貸す立場になったときのことを想像すれば理解できると思います。
「融資」を受けるとは、ただ「借金」をすることとは違うことを頭に入れておきましょう。
銀行をはじめとする金融機関に対して、『資金を何に使うか』、『どのようにして返済するか』、『万が一のときはどのようにして対処するか』を明確にすることが出来て、なおかつ銀行に納得してもらえれば、融資はほぼ間違いなく出るでしょう。
ただ、これらを明確に伝えることができないから思うように融資を受けられないのです。
銀行融資のポイントはこちら(銀行が融資先を審査する時に見るポイント にリンク)
銀行融資の種類
銀行の融資にはいろいろな分け方がありますが貸付期間による分け方として「短期融資」と「長期融資」があります。
- 短期融資
- 返済期間が1年以内の融資です。
融資の形態として、手形割引、手形貸付、当座貸越があります。 - 長期融資
- 返済期間が1年以上の長期の融資です。 融資の形態として、証書貸付があります。
○融資の形態
以下に代表的な融資の形態と簡単な説明とメリット、デメリットをまとめます。
◆証書貸付
一般的に想像する融資のスタイルで、金銭消費貸借契約書という証書を交わして融資を受ける一番利用されることが多い資金調達の方法です。
使途
設備資金・長期運転資金
メリット
長期間の借入れに使う融資形態のため、資金繰りに余裕ができる。
デメリット
融資を受けるごとに契約書を結ぶ必要があるため、手間がかかる。
◆手形割引
売上の支払いとして受け取った手形は、すぐには現金にはなりません。それを銀行に買い取ってもらい現金による融資をしてもらうという資金調達の方法です。
使途
設備資金・長期運転資金
メリット
売掛金の手形を銀行に買い取ってもらうため、売掛金の回収は銀行がしてくれて、返済をする必要もないため、利便性が高い。銀行側にとっても手形の支払い人への取立てによって資金を回収できるため、普通の融資よりもリスクが少なく銀行が実行しやすい融資方法。
デメリット
手形の振出人が手形を決済できずに不渡りを出してしまった場合、その手形で手形割引により融資してもらった会社が買戻しをする義務がある。
◆手形貸付
銀行を受取人とする手形を銀行に差入れて融資を受ける資金調達の方法です。
使途
短期運転資金、賞与資金、納税資金
メリット
約束手形に会社の署名判と印鑑を捺印して銀行に差し入れるのみで手続きが楽。
デメリット
短期の融資のため資金繰りが忙しい。
◆当座貸越
銀行との契約により、融資を受けることができる限度額(極度枠)を設定し、当座預金を限度額までマイナスにでき、さらにいつでも融資を受けたり返済したりできるという融資方法です。普通は、通帳にある金額より多くお金を出そうとしてもできませんが、当座貸越ではそれができるということです。
当座貸越には、専門当座貸越と一般当座貸越の2種類があります。
使途
自由だが基本的には運転資金
メリット
当座預金を限度額までマイナスにでき、さらにいつでも融資を受けたり返済したりできる。
デメリット
ここに紹介する融資方法の中で審査が一番厳しい。かなりの優良企業でない限り難しい。
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