銀行がいくら貸せるかの判断

銀行は、融資を申し込んできた企業に対していくらまでなら融資できるかというボリュームをある程度の基準を持っています。

その判断は次の指標から判断します。

借入月商倍率
借入金の残高は売上に対してどのくらいの割合か
借入月商倍率=借入金の残高÷月商
債務償還年数
有利子負債を全額返済するまでに何年かかるか
債務償還年数=有利子負債残高÷キャッシュフロー
         
有利子負債依存度
総資産に対して有利子負債残高がどれだけの割合を占めているか
有利子依存度=有利子負債残高÷総資産

 

借入月商倍率

借入金の残高は売上に対してどのくらいの割合かという指標。
借入月商倍率という指標を使って、借入金の残高が売上に対してどのくらいの割合になっているのかを見ます。

≪借入月商倍率=借入金の残高÷月商≫

たとえば、年商1億2千万円の会社で、借入残高が4千万円あるとしたら、この会社の平均月商は1千万円ですので、「4千万円÷1千万円=4」で借入月商倍率は「4倍」となります。

この数字が6倍、つまり、年商の半分を超えてくると、新規の融資を受けるのは厳しいでしょう。

月商の6倍を超えてくると、黄信号から赤信号というイメージになります。青信号は3倍以内、というふうに一般的には見ています。

実際には、設備投資が多い会社とそうでない会社で見方がかわってきますので、一概に3倍や6倍ということではないのですが、一応のラインとしてあると考えてください。

製造業のように設備投資の多い会社であれば、借入月商倍率が月商の10倍でもOKという場合もあります。

一方、サービス業や卸売業などは、一般的に設備投資は少なく、資金需要と言えば運転資金くらいと考えられますので、借入月商倍率が3倍を超えたらアウトという見ている銀行も多くあります。

 

債務償還年数

今現在の有利子負債を全額返済できるまでに、何年かかるかという指標です。

「有利子負債」とは、利息が発生している負債を言います。端的に言えば銀行からの借入金です。

貸借対照表で言えば、負債の部に記載されている、「短期借入金」、「長期借入金」、「社債」の合計額です。

つまり、今ある借入残高をキャッシュフロー(営業利益+減価償却費)から返済すると全て返し終わるまでに何年かかるのかということを見る指標です。

≪債務償還年数=有利子負債残高÷キャッシュフロー≫

キャッシュフローは、営業利益のほか経常利益や当期利益を基に計算するケースもあります。

そもそも、銀行から融資を受けた際は、借入期間を5年程度で借り入れていますので、債務償還年数は、当然、5年程度になるかのように思いますが、実際の中小零細企業は、キャッシュフローだけでは返済に足りないので、新たに借り入れして、返済に充てる資金を補っているという状況です。

だから、純粋にキャッシュフローで返したらいったい何年かかるのかということを見るのです。

政府は10年以内を一つのラインとしていますが、中小企業の平均債務償還年数は約12.5年です。銀行の見ている許容範囲は約15年です。債務償還年数が10年以内とは実際にはかなりハードルの高い数字と言えます。

 

有利子負債依存度

有利子負債依存度は、総資産に対して、有利子負債残高がどれほど占めているかという割合で、この割合が60%を超えると、銀行は赤信号と判断します。

≪ 有利子依存度=有利子負債残高÷総資産≫

一般に、有利子負債依存度が低い企業ほど、財務の安全性が高く、有利子負債依存度が高い企業は、利息負担も大きく、金利が上昇すると利益を圧迫し、資金繰りの悪化を招きます。

 

 

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