<短期運転資金のチェックポイント>
今回は融資の種類の中の『短期運転資金』の銀行の審査手法及び申込む時の チェックポイントについて伝えていきます。
短期運転資金の定義は借入期間が1年以内という事です。
つまり1年以内に返済をしなければならない、または1年以内に返済ができる と言うことになります。
本来の運転資金とは、この短期運転資金と言われているものを指します。 銀行によっては「正常運転資金」と呼ぶこともあり、このような銀行は、 返済期間が1年以上になる運転資金は赤字補填のための運転資金になると 考ているのです。
また、返済方法は2つ又は3つになります。
1.元金均等返済 (毎月返済する元金が一定で、残元金に対しての毎月の利息を上乗せして支払う 返済方法)
2.期日一括返済 (返済期限日に、元金と利息の全額を一括で支払う返済方法)
3.元金随時弁済方式 (客様の自由意志で返済しても構いませんと言う事ではありません。 返済財源である売上の回収が不定期になるので返済方式を売上の入金に合わせて、 銀行と折衝をして随時返済方式を取るという場合が多いです。)
通常の業種においては1.か2.の取扱になります。
3.の場合は業種というよりは申込企業の売上の回収方法による場合が多いと 思います。(建設業や被服製造業が多いです。)
短期資金の資金使途(使い道)は、業種にもよりますが、売上げ増加に伴う外注費・ 材料仕入れ・人件費等の『前向きな資金』が多いです。
また、自分の銀行員時代は、短期資金と言えば夏と冬の年2回の賞与(ボーナス)資金も 多かったです。
その他には、建設業の引当貸や輸入関係のL/Cの跳ね資金等もあります。
基本的に短期資金の場合は、前向きな資金の場合が多いので無担保で融資をして くれる場合が多いのではないでしょうか?
各銀行によって審査手法の違いは若干あるとは思いますが、基本的には短期資金の 返済財源は売上です。
資金を投入することで売上増加の見込みがなければ、融資をする対象にはならない でしょう。
もちろん短期資金と言っても全ての案件が前向きとは限りません。
売掛金の回収を当然の如く見込んでいたが、相手の諸事情によって入金が延びて しまったために一時的(スポット)に資金を利用するなんて事もよくあります。
また、銀行は売上増加も見ていますが、売上と同時に利益がどれくらいになるか という事も聞きます。
いくら売上が増えても、利益につながらないのであれば融資をしても意味がない からです。
一口で『利益』と言っても損益計算書には様々な『利益』があります。
その中でも
・『売上総利益』(売上−売上原価)
・『営業利益』(売上総利益−一般管理費及び販売費)
以上の2つが売上増加でどのように増えるとか、何%改善されていくといった 感じで、具体的な数字で把握することができれば銀行や銀行員に対して説得力も 増します。
また、短期資金の場合は売上が返済財源になってきますので、その他に月別取引先別 の売上推移及び予定表を作成すれば文句はないでしょう。
もちろん建設業の場合は工事受注明細書を添付しますが、建設業以外の業種(製造業や サービス業)でも口頭で説明するよりも資料を添付した上で説明したほうがよりベターです。
また、過去3ヶ月と今後6ヶ月程度の資金繰り表を作成するのは基本的なことで あるといえます。
つまり短期資金をスムーズに借りる方法は以下の3つがポイントになります。
1.使途(資金の使い道)を明確にする。
2.資金を利用した事による効果を頭の中で整理する。
3.頭の中で整理した項目を資料(資金繰り表・月別取引先別売上推移及び予定表等) として作成して銀行及び銀行員に明確に伝える事ができる。
どうですか?
「短期資金なんか銀行にひとこと伝えれば借りる事が出来る」と考えていた 経営者さんも多いのではないかと思いますが、実際には短期資金でも銀行が 審査をする場合はここまで詳細にチェックをしているのです。
これらのことを知っているのと知らないのとでは、融資申込み時に大きな差 となって現れます。
短期融資だからといって甘く見てはいけませんよ!
次回は「長期運転資金のチェックポイント」についてです。
《無料メルマガ『今日から使える銀行取引&リスクマネジメント入門』より抜粋》
