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<銀行の合併>

 

融資の役割は銀行取引コラムVol.1の「銀行の役割」にもあるように、ずばり「信用創造」しかないと 言っても過言ではないでしょう。

しかし、この信用創造も本来の機能は果たされていないと最近は実感してます。

都市部では、地価も十数年振りに対前年比を上回るようになり、土地(担保)の 含み益も出はじめて、融資余力もでるようになり「金余り現象」なんて言っている 銀行員もいます。

その反面、地方部では依然、土地の下落も止まらないし、地方の主役銀行でもある地方銀行や信用金庫においてはお客様がイメージしているような信用創造は機能 していないと言えます。

もちろん地価も融資において関係はしているとは思いますが、それよりも大きな 理由があります。

それは各金融機関の取組みスタンスと財務内容が関係しているのです。

大まかに分けると都市銀行と地方銀行・信用金庫の取組みスタンスの違いです。

都市銀行の融資取組みスタンスは概ね積極的です。

なぜ都市銀行の融資スタンスは積極的なのだと思いますか?

ずばり銀行同士の統廃合がその要因の1つでしょう。

効果的な統廃合によって、地方銀行、信用金庫などに比べ、都市銀行のほうが 財務内容の改善がうまくなされたということです。

都市銀行は私が入行した平成5年4月現在では信託銀行・長期信用銀行を除いて9行もありましたが、現在では5行しかありません。

バブル経済崩壊後は都市銀行に限らず何処の銀行も不良債権が沢山ありました。

特に都市銀行は、この不良債権を1日でも早く償却し、BIS規制(国際業務を行う 銀行の自己資本比率に関する国際統一基準)の最低基準である自己資本比率8%維持を クリアーしていくために合併を何回も繰り返していきました。

都市銀行No.1の三菱東京UFJにおいては三菱銀行・東京銀行・三和銀行・東海銀行の 4行の都市銀行が合併されているのです。

合併することで人員を削減して収益を圧迫する人件費の削減をしたり、残された行員も 不良債権の償却のために収入を2〜3割削減されたり、店舗の統廃合をしていく中で 店舗経費を削減していき利益を出して不良債権を償却してきたのです。

まさに規模の大きいもの同士のなせる業です。

その結果、大手銀行は負の遺産でもある不良債権を償却して、銀行の内容を健全化して 信用創造が出来る体制を整えていきました。

その証として無担保・無保証人の融資商品であるビジネスローンをこの世に送り出して いきました。

一方、地方銀行や信用金庫はこのような合併をしていく中での不良債権処理は上手く 出来ませんでした。

もちろん地方銀行と信用金庫が合併したり、地方銀行どうし信用金庫どうしが合併 していったケースもありますが、規模が小さいものどうしの合併の効果は正直たかが 知れています。

地方の金融機関の統廃合はこれからだと思います。

第一地方銀行はともかく、それ以外の金融機関は例えば信用金庫であれば県単位で合併 したり、信用組合も県単位で合併をしていく過程で地方銀行に対抗していくようになる かもしれないでしょう。

また、都市銀行が不良債権の処理がほぼ終了したのを受けてマスコミでも日本の 不良債権の処理は終わったと報道されていますが、地方部は各金融機関の規模が 小さいだけに合併のメリットが享受でなくて、なかなか進展していませんでした。

また、敢えて合併しない理由もあったのではないかと思います。

都市銀行や第一地方銀行は、海外主要都市に支店が在ります。上述したように、 国際業務をしている銀行はBIS規制が適用されるために不良債権の処理に邁進 してきたのです。

自己資本比率8%を達成できない銀行は、国際業務から事実上の撤退を余儀なく されてしまいますので当然の行為ですね。

しかし、海外進出をしない信用金庫や信用組合、規模の小さい地方銀行では BIS規制の自己資本比率8%のルールは適用されません。

国内基準の4%を維持していれば、金融監督庁からの早期是正措置(銀行に対して 早めに体質を強くするように国からの指示があり、対応できなければ国の管理に なってしまいます。)が発動されないので、この自己資本4%を維持するためだけに 不良債権の処理をしてきたのです。

この国内基準の4%も維持できない信用金庫や信用組合は平成10年から12年に かけて合併をしたり、救済してくれる金融機関もなく倒産に追い込まれていった 信用金庫や信用組合は多数ありました。

このようにこの十数年間は銀行にとっては歴史に残る激動の時代でもあり、資金を 供給する本体が大変な思いをしていたので、本来あるべき「信用創造」は果たせ なくても当然の帰結ということになるのではないでしょうか。 都市部ではこのように各金融機関もほぼ正常になってきているので、資金も適正に 供給されていくかもしれません。

一方、地方部においてはあと3年〜5年間は現状維持 という形になるのではないでしょうか。

⇒銀行取引コラムVol.5「融資形態の種類

 

《無料メルマガ『今日から使える銀行取引&リスクマネジメント入門』より抜粋》

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